ブドウ畑の空に乾杯

20分の初夜

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花婿一族は花嫁を迎えに行く.役所で書類に署名する.花嫁の父はヴァレンヌ村の村長なので、彼は自分の娘の結婚を村長としても承認した.その後は通り向かいの教会で式.教会から出てくるところで紙吹雪のシャワー.車で走りシャブリに戻る.会場の庭に生バンドのジャズが流れ、シャンパーニュとシャブリ1級がマグナムボトルで振舞われる.町じゅうの人たちが顔を見せ、おそらく500人はこの食前酒を楽しみにやってきた.やっと夜9時近く空も暗くなる頃に200人ほどの招待客は建物の中へ入り、食事が始まる.そして誰もが話す、食べる、飲む、歌う.食事もワインも美味でなければならない.ナビュショドノゾルやマチュザレムに入ったワインをソムリエたちが注いでまわる.やがて老人たちは家路に着き、DJが音楽をかき鳴らし中年と若者たちはダンスを始める.外へ出て花火が上がる.そしてまた屋内へ戻り踊る.朝の4時半くらいになって新郎新婦は町内のどこかへ身を隠す.かくれんぼだ.客たちはしばらく待って初夜を終え眠る二人を起こしに行く.見つかった.トイレのない時代はよくあった、用足しのためのおまるが用意されていて、そこにシャンパーニュを注ぐ.少々のニュテラとトイレットペーパーも入れて、つまりは便壺そのものによく似たシャンパーニュのカクテルができる.その場に居合わせた全員で回し飲みする.これで誰もがこの新郎新婦を夫婦だと認めた.このシャンパーニュの味を知っているだろうか.野蛮な吐息の漏れるような味だ.皆で会場へ戻り熱いスープを食す.焦げた玉ねぎとマデラの風味が染み渡り、そろそろ本当に眠ろうかという気分になってくる.皆一度家に帰り3時間ほど眠る.

by saitomy | 2012-07-04 03:00 | ワイン・ブドウ フランス編
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