ブドウ畑の空に乾杯

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ただのにっき

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大好きだよ。あれも、これも。なるべくなら好きなもののことを話していたいけどそれには嫌いなものをよく知っておかなければいけないんだね。ほんとに嫌いかどうかもよく知らないと分からないことなんだよね。見ただけで嫌いになれるのはそれはどうしてなのかな? 嫌いなもののこと話しているとき、悲しくなるんだ。だってあるべきものがあるべき場所にあるだけでどうして嫌いになるの? しかたないね。おりあいがつくんだ、やがてはなにもかも。そうじゃなかったら写真に撮りたくないんだ。何が起こったかを書くのは書いていないことを覚えておくためなんだよね。日記はだからいいんだね。日記の日付どんどん先へ進んでいるね。じゃあこの先が分かるのかな。分からないね、それも。やってることは変わらないからね。何が変わっても、やってることは変わらないんだ。同じなんだね。だから2つはいらないんだ、1つでいいの。でも2つのひともいるよね。それもいつかは1つになるんだ。見えたよ。それって見えないことだからね。

by saitomy | 2008-08-31 03:00 | タダの日記

Saccharomyces cerevisiae 酵母を加える

前にも使った写真だけど、
これがワインを造るために加えている酵母(イースト)、Saccharomyces cerevisiae.
いろんな人がいろんな読み方をしているのでどれが正しいのかは私も知りません.
私たちのワイナリーでは サカらマイスィス・スィらヴィスィアィ ってな感じで発音しています.
(↓ちょっと画像が粗いけど、写真をクリックするともう少しきれいに見えます.)
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もっと写真載せちゃおう. これを見て美しいと思える人は醸造家か微生物学者になったほうがいいかも.
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ブドウにはもともとイーストがついているので潰したジュースをそのまま放っておいても発酵が始まることが多いけれど、
実はSaccharomyces cerevisiae をブドウ畑からみつけるのは結構難しいです.

たとえば、これはまだブドウが実っていない4月頃だけど、
ブドウの樹にどんな微生物がいるか実験してみたもの.
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たとえば上の写真は葉っぱの裏側を、滅菌された綿棒でこすって、
滅菌された水5mLに入れてフィルターにかけてそのフィルターごと培養したものです.
左側の茶色いプレートに育っているのが主にイースト.
右側の緑のプレートに育っているのがほとんどカビ.
このあとイーストらしきものをサンプルとって単独で培養させ、
いろんなテストしたり顕微鏡で見たりしたけれど、
Hanseniaspora(ハンセニアスポラ)が多かったです.
他にも花の部分、茎、葉の表面、幹、そして畑のワイヤーや土も調べたのだけれど、
Saccharomyces cerevisiae はこの実験の時は見つからなかった.

ちなみに Hanseniaspora はこんなレモン型をしています. これはHanseniaspora uvarum.
(↓これも写真をクリックすると大きな画像になります)
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私自身は自然発酵はおもしろいと思うし、素晴らしいワインを生むこともあるので少量ならやってみたいけれど
微生物同士がいわば競争しあって、結局どのイースト、どのバクテリアが一番活発になるか分からないので
(Saccharomyces cerevisiaeは結構強いので主流になることが多いとはいえ)
大きなワイナリーで毎年安定した品質を目指す場合はリスクが高いんじゃないかと思います.
それが今のところの私の考え.
少量自然発酵で実験的に造ってみて、最後にブレンドしてもいいかもしれないけど.

イーストはワイナリーで培養することもできるけれど、モニターするのに手間も時間もかかるし
厳しく品質管理できる環境がないと、これまた他の微生物に汚染される可能性もあるので大変.
ドライイーストを使うのが一般的で手軽な方法です.

ドライイーストにもいろんな製品がありますが、このワイナリーでは
白の新酒にはCY3079、一般的白ワインにはM3、赤ワインにはD245 か BRL97 等を使っています.

よいイーストの条件は、発酵初期の速くスムーズな進行、泡立ちが少ないこと、
香り高いワインにしてくれること、H2Sやエチルアセテートの生産量が低いこと、
少ない栄養素でも活動してくれること、SO2、アルコールへの耐性が強いこと、
発酵のスピード調整が簡単なことなどです.

イーストを作っている会社は大抵こんな表を用意しているので参考にするといいかも.
http://www.lallemandwine.us/products/yeast_chart.php

ドライイーストを使う場合は、製品の説明書きをよく読んでそれに従ってください.
理論的には、ジュース1mL中に100万個~300万個のイースト細胞があることが理想的といわれています.
だいたい3.785 L のジュースに対してドライイースト1gくらいが目安です.

一般的な方法としては、
まずバケツを洗浄殺菌し、そして水で洗い流しておきます.
500gのイーストに対して5L以上の ぬるま湯(38℃)を用意し、
ぬるま湯に少しずつイーストを振り入れます. (絶対にイーストにぬるま湯を加えないで下さい)
よく洗った手を使って優しく混ぜまず.
泡立てるように強く混ぜてしまうと、イーストの細胞壁を傷つけてしまうのでそっと混ぜてください.
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冷蔵庫などに20分間置いて徐々に温度をさげてから、発酵前のブドウジュースを
ほんの少し加えてイーストを慣れされます.
イースト液とジュースの温度差が10℃以内になるのを待ちます.
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準備が整って、発酵させるジュースにイースト液を加える時は、
容器またはタンクの一箇所にゆっくりと流し込む感じで加えてください.
ジュースを混ぜる必要はありません.
急激な温度差や高い糖分にイーストが驚いて弱ってしまうことがあるので、
まず一箇所にとどめておくことで、イースト層の底辺~中間部分をショックから守ることができます.
そのうち発酵が始まれば、発生する二酸化炭素によって自然に混ざっていきます.

説明の分かりにくい部分や質問がありましたら、いつでもメールを下さい.
メールアドレスはこのブログのページ下部分にある「メモ」欄をご覧下さい.


今日は午前中はゆっくり朝食と洗濯と読書. 午後出勤でイーストを用意して加えてきた.
イーストの温度が下がるまでギター弾いてたので音楽培養です.
暑いし週末だったので、他にもやることはあったが忘れた振りをして帰ってきた.

夜はDVD2本. 久しぶりに小津安二郎を.

日本に帰りたいよう.

という気分になった.

by saitomy | 2008-08-30 03:00 | ワイン・ブドウ アメリカ編

ブドウに囲まれすぎている

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シラー5トン、プリミティーヴォ4トン、テンプラニーリョ3トンだったっけ...
なんか意識が朦朧としている...

気温が高くて体力の消耗が激しい.
もうシラーなんて知らないもんね!

醸造家ジョンが「今週末は他の人に仕事させて、マユには休みをあげる」との発言を撤回して
「ごめん、やっぱり土曜日出勤してイースト加えてくれる?」と言い出したので
ブドウ2房投げつけてから「はいやります」と答えておいた.
イーストのお世話するのは大好きなのでいいんだけどね.
ついでに顕微鏡覗いて写真撮ったりしようかな.

日付変わって1時半に帰宅.
手伝ってくれた人たち、金曜日なのにどうもありがとうございました.

すごく汚い話なのだが、シャワーを浴びる気力もなくベッドに倒れこんで寝てしまったみたい.
次の朝起きたら電気はつけっぱなし、
かろうじてドロドロに汚れた作業着は脱いであったが
鞄も玄関に放ったままだった.

by saitomy | 2008-08-29 03:00 | ワイン・ブドウ アメリカ編

bbq

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一次発酵の終わったシラー2種類をプレス機でしぼる.

夕方には全員参加のオリエンテーションとバーべキュー.
学部長の挨拶とか、教職員の紹介とか.
プレスの真っ最中なのではっきり言ってちょっと迷惑なんですけど...
でもトライティップサンドイッチが出て結構おいしかった.
ワイナリーにサンドイッチ持ち帰って作業の続き.
夜8時半終了.


写真は、Dr. ワンプルのスピーチを聞かずにニコンのデジカメで遊ぶ優秀な学生たち.

by saitomy | 2008-08-28 03:00 | ワイン・ブドウ アメリカ編

1x10

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ワイナリーの横に車停めといたらチケットきられた.
もー、学校警察はイジワルなんだから!

午前中、ずーっとボトリングしたくてできていなかった2007シラーを瓶詰め.
卵白処理したら渋みがとれてすごくよくなった、と何人かの人が言っていたが、
私はこのワイン残念ながらあまり好きではない.
複雑味も果実味も無くなって、泥臭さのようなものが浮き立っただけに思える.
まあでも仕方ないね.
皮肉なことに醸造学科創立10周年記念ボトルになってしまった.
200ケースだけの限定版ですが、
カルロス・ミュラー記念ボトルと名前がついている.

この学科を作った人.

カルロスの授業は私も入学当初受講したのだが本当に素晴らしい先生だった.
どう素晴らしかったかをたくさん書きたいけど今は時間がない.
彼の授業を受けられただけで、私はカリフォルニアに来てよかったな、と思えた.
その後すぐにカルロスはリタイアしたので、彼がやめる前にこの大学に入れてよかった.
ボトルの中身がもう少し私の好みだと嬉しかったけど、とにかく彼の功績を讃えるワインを瓶詰めできた.
たった10年だけど、大学のワインも良くなったり悪くなったりしながら少しずつ変わってきているみたい.

午前中瓶詰め、午後は授業でまた学生が押し寄せてきた.

ものすごく忙しかったのでどこか意識が抜けてしまって、今日私は一つ失敗をした.
ジュースの中の不必要な微生物の動きを抑えるために、
通常ジュースを搾った次の日の朝にSO2を添加して 午後にイーストを加えているのだが、
昨日搾ったヴィオニエのジュースにSO2を加えるのを忘れた.

イーストも微生物だしSO2が苦手なので発酵中の添加は避けたほうがいい.
というわけで今のところ亜硫酸無添加.
オーガニックワインなんかはSO2使わないし、そういう造りかたも出来るのだから大丈夫かもしれない.

醸造家ジョンによると、ブドウが良い状態で運ばれてきたからまあ問題ないだろう、とのこと.
ひょっとするとものすごくいいワインが出来るかもしれないし、出来ないかもしれない.
失敗だと思ったものが、本当にそうであったかを知るまでにも時間がかかる.
どうなるか興味津々.

仕込みって、年に一度しかないチャンスなんだよなあ.

by saitomy | 2008-08-27 03:00 | ワイン・ブドウ アメリカ編

かたづけてください

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せっかく作ったお弁当箱をテーブルの上に置き忘れたまま出勤してしまった.
ちぇ.
午前中はほぼ一人でワイナリーを駆けずり回る.
いろんなもの殺菌洗浄したり、混ぜたり、細々したことだけどそれが一番大切なんだよな.
醸造家ジョンが畑からトラックでブドウを持ち帰ってきたのが午後2時前.
二人して腹ペコだったのでとにかく昼食へ.
サンドイッチご馳走になった. ありがとうございます.

さて仕込みを始めたい...と思ったが、学生たちは授業へ行って誰もいない.
ゆっくりだけど始める. だんだん人も集まってきた.

私は白ワインだとシャルドネよりヴィオニエの方がずっと好きだ.
長いことトラックに揺られてきたにもかかわらずほとんど房の温度も上がらずブドウの状態もいい.
昨晩が涼しかったせいだろう.
また房ごと搾った.


写真は研究目的で誰かが仕込みをした後.
キャンパスのあらゆる場所でブドウが潰されている.
頼むからワイナリーをきれいにしてね.
使った道具はもどしてね. お願いしますよ.
君たちの出した搾りかすをたい肥場に持っていくのは私なので.

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by saitomy | 2008-08-26 03:00 | ワイン・ブドウ アメリカ編

ズー

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10:30PMに終わって割合に早く帰れはしたのだが.

の、脳みそが...硬直.

ここは動物園か! というくらいワイナリーがヒトでいっぱいに.
初めのうちはどうしても人手が余る.
なるべくいろんな作業を見て行って欲しい.

でも初日にしてはまあうまく行った方かなあ.
バイトの人たちがよくがんばってくれた.

肩こりがいつもの3倍.

さてみんなのやる気がいつまで続くかな.

今日はシラー7トン、テンプラニーリョ6トンをクラッシュ.



明日やること:
プレスの洗浄殺菌.
パンチダウン.
シラーとテンプに酵素加えてポンプで混ぜる.
タンクの洗浄殺菌.
テーブル、ホッパーなどの洗浄殺菌.
水曜日のボトリングに向けて2007シラーのSO2,O2チェック.
ヴィオニエ4トン仕込み.
酵母シラーとテンプに加える.

とりあえずこんなもんか.

シャワー浴びて寝よ.

by saitomy | 2008-08-25 03:00 | ワイン・ブドウ アメリカ編

静かな日

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起きて世界を眺める.
フィルムで写真が撮りたいなあと思う.

朝食のスクランブルエッグ、人生最高の出来.

午前中ワイナリーの前まで行ったが、やっぱり休日なので仕事したくないなあという気持ちになって入るのをやめた.

そのまま車を走らせ、買い物.
本とCDとDVD たくさん買ってしまった.
靴の防水ワックス、スポーツドリンクのタブレットなど買う.
自転車が欲しいなあと思って見るだけ見てみる.
新しい枕カバーとシーツも買った.
よいタオルやシーツに身体をくるませるのは働いている自分へのいたわりのようなものだ.
でっかい酒屋をのぞく.
本屋も酒屋も、私の好きなものがずらりと並んでいるところを見るだけで、なんだか落ち着く.
その後スーパーで食料品買う.

帰ってきて昼食.
読書. いしいしんじ『絵描きの植田さん』など.
昼寝.
買ったCD聴いたりする.
読書.
遅い夕食. ワイン.

明日から授業が始まる.
学生として教室に行かなくていいことが、最高に幸せ!
宿題のない生活、大好き!

by saitomy | 2008-08-24 03:00 | タダの日記

心を奪われるなんて

クリスティーンが週末のパンチダウンを全部一人でやってくれるというので、
またしても週末休めることになった.

しかし家の中にいてもどうも落ち着かない.
発酵は進んでいるだろうか. ワイナリー全体に何か見落とした部分はないだろうか.
結局ワインのことが気になって仕方がない. アホか、私は.

ああこのまま仕事のことばっかり考える人間になっちゃったら最悪.
酒飲みながら酒の話ばかりする人はつまらないと常々思っている私だが、
このままだと酒が入っても素面でも自分の口をついて出るのはワインのことばかりになってしまいそうで嫌だ.

シャワー浴びようとしてシャツを脱いだら胸部に痣ができていたので写真を撮る.
きれいな弧線の痕だから...ホースの口でも当たったかな? 全く覚えていないが.

読書. 阿川佐和子『スープ・オペラ』読み終える.

ジムへ. 筋肉が凝り固まっているのがわかる. ゆっくり調整.

帰って仕事用の靴など手入れする.

またシャワー.

それから読書.
山崎ナオコーラ『長い終わりが始まる』一気に読んだ.

ちょっと考え事する.
2つの小説を読んだらある男の子のことが思い出されて仕方なかったので.

もう少し本読んで寝よ.

ああしかしワインはどうなっているだろうか.
やっぱ明日ワイナリー行っちゃおうかなあ.

ったくもう. ワインのばか.

by saitomy | 2008-08-23 03:00 | タダの日記

パンチダウンのこと

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この間パンプオーバーのことを書きましたが、
赤ワインの発酵が始まり、表面に浮いた皮や種の層を沈めるもう一つの方法が
パンチダウン(ピジャージュ、櫂入れ とも)と呼ばれる作業です.

私はパンチダウン大好き. ワインとの距離感が近いので.
ワインがかわいい赤ちゃんのように思えてくるのです.

じゃ、動画見せるね.



by saitomy | 2008-08-22 03:00 | ワイン・ブドウ アメリカ編